2020.05.15
こんにちは! 内藤です!本日の内容は・・ 映画のヒロインが瞬く間に切られた髪、次のシーンでいい感じになってる疑惑について。
だいぶニッチな内容ですが、映画のファンタジーヘアカットをするとどうなるか?大人目線、美容師目線で徹底考察していきます! 映画好きのチルドレン達の夢を壊す可能性があるので閲覧やや注意です!笑 本日のターゲットはラプンツェルさんとボーンアイデンティティのマリーさんです!
番外編 カット上手すぎ 【君の名は】三葉のおばあちゃんカット技術の謎****
先日テレビで放送されていた「塔の上のラプンツェル」。 その前にたまたま観ていた「ボーンアイデンティティ」。 1日に2作映画を観たのですが。 そこで気づいたのは・・ それはヒロインの髪をヒーローが雑にぶった斬るという点です。 結構映画でありがちなシーンだと思います。
ロングの女性が一気にショートになり、受ける印象が大きく変わるので、その映画の重要シーンの一部になる事は間違いないです。 嫋かな印象から活発ないんしょうに・・など。
ただ、ここは美容師ですから、当然疑問に思う訳です。そんな1秒ぐらいで、そのカットできるのか?と…
ナイフや裁縫バサミのような刃物で一束に纏めた髪をブツ切りにして、あそこまでオシャレに仕上げられたら、僕ら美容師は用無しです。笑
意地悪な気もしますが、少し解説していきます!
まずは【ラプンツェル】の場合、あそこまでのロングヘアーを拳で一束に纏め、ガラスの破片で一刀両断にします。
すると、後ろに一束にまとめて切っているので、後ろが短く、前が長い前下がりのカットラインになります。 襟足生え際から、おそらく3センチ程の所から切っているので、ちょうど画像からも分かるようにボブのカットラインになるように切られています。 この切り口までしっかり映像にしているところにディズニーのこだわりを感じます。 前の髪をかなり後ろに引いて切っているので、切り終わった髪は顎下5センチぐらいの長さになってくるかと思います。 おそらくガラスの破片でザンッと斜め上に向かって切っているので高めのグラデーションが入るので、前下がりのグラボブっぽく仕上がるはずです。
【しかし、劇中は毛先に遊びのあるアクティブショートに!】
耳上からトップ付近にはしっかりとレイヤーが入っていて、とても一束に纏めた髪をガラスで切ったヘアスタイルとは思えない程の完成度! ディズニーマジックカットですね! ちなみに現実ではロングヘアをまとめて切ってしまうと、ガタガタになってしまうので、美容師にお願いしましょう(^^)
ボーンアイデンティティのマリー
不運な事からCIAに指名手配にされ、カムフラージュでミディアムヘアをホテル内でジェイソンボーンが雑に、それはもう雑にボロボロのハサミでザックザク切るんです。
何気に、このシーン、多分ですけど、本当にマット・デイモンが切ってると思います。
ラプンツェルの時とは違い、ハサミで何度かに分けて、毛束を持ち上げて切っているので、今回はしっりレイヤーが入るスタイルになるかと思います。
しかし、一頻りカットシーンが終わり、画面が切り替わると… なんという事でしょう、絶対一度美容師の手が入ったに違いありません。 ボーンの切り方ではエリアシはボックス型の四角いデザインになるはずが・・ 襟足のカットラインがキレーなV字のライン。
ショートヘアながら、前下がりのキレイなカットライン。
記憶喪失のジェイソンボーン、そんな美容師の技さえ持っていたのか…と嫉妬する技術をまざまざと見せつけます。
恐らくこの世に美容師ばりにカット技術を持った殺し屋はあまり多くないと思うので、不運にCIAに狙われても、殺し屋ではなく美容師にカットをお願いした方が無難だと思います^_^
【君の名は 一葉のカット技術の謎】
かつて社会現象にもなった【君の名は】 劇中ヒロインの三葉がキレイなロングを祖母の一葉にばっさり切ってもらう話があります。 やや失恋チックな流れなので、心模様を反映させたシーンにも一役買ってくれていますね。 まあ、想いを寄せている男子に声かけたら「誰?お前」って言われた日には僕だって髪切っちゃいます、そんなの!
しかしこのカット、三葉の祖母・一葉が切るにしては上手すぎます。 毛先の軽さからワンレングスにパツっと切られているわけではなく、しっかりレイヤーが入っている質感。 元々あったサイドバングは活かしつつ、サイドにあった後れ毛はボブにしたときの長さのガイドにするという機転の効き具合。
なにこれプロじゃん・・ スキバサミを所持していなければ、ハサミを縦に入れてカットラインを崩さなければ、このジグザグラインは出せません。 そして何より、あのロングからバッサリ切って、本人にバッチリ似合わせてしまう一葉ばーちゃんマジぱないです。 綺麗に伸ばしたロングヘアーを切るときは、凄腕おばあさんに頼るのも良いですが、是非美容室で切ることをオススメします!
と、このように映画でヒロインがあっという間にバッサリ髪を切っちゃうシーンに対して、ちょっと職業病の出る映画の見方でした(^^)